
が行われる場合に通常成立すると認められる価格のことであり、いわゆる「相場」や「市場価格」などの客観的交換価格です。
相続財産は、これを時価換算して課税標準とすることが、担税力・公平性の観点からも望ましいということで法律化されています。しかし、各相続人がすべての相続財産につき、個別に時価換算することは困難であることなどから、「財産評価基本通達」として公表され、これに従って評価することになっています。
財産評価基本通達では、その種類別のほか、それぞれの財産の現状に応じて評価方法が詳細に定められており、大半の評価はこれで時価評価できることになっています。
相続にまつわるすべての混乱は、地価の高騰から始まったといっても過言ではないでしょう。
祖先から引き継いだささやかな土地や、ようやく手に入れたマイホームにまで相続税が迫ってきます。かつては相続税とは無縁だった人々まで、税金の影におびえなければいけなくなりました。
本来、相続とは、築き上げてきた財産を次代に託すこと、責任を持って受け継ぐことですが、相続をめぐって家族に争いが起こったとしたら、それは本末転倒なことです。
肉親の死によって生じる相続。
悲しみに耐えながら、葬儀をはじめ一連の儀式を無事すませた人々を待っているのが相続という大問題です。
相続対策というと相続税をいかに少なくするかという「節税対策」にかたよりがちですが、相続対策で最も重要なテーマは、遺産をどのように、相続人の間でいかに円満に分けるかということであり、遺産をめぐって相続人がお互いに争い「争続」になってしまってはなんにもなりません。
障害をもつ子どもと、そうでない子どもとの遺産争いを起こさないためにも、障害をもつ子どもの生活設計を立て、日頃から家族で相続について話し合うことが大切なことであり、肢体不自由者の父母としての義務ともいえます。
あくまでも、最初に遺産争いを起こさないための遺産の分割をし、つぎに相続税の納税の準備をし、そのうえで節税対策を行うことがあらゆる相続問題を解く大原則であり、相続対策を税金の面だけでみて行なうのはたいへんな危険がともないます。
相続や贈与について家族で話し合う機会をつくったときには、障害をもつ子ども本人の希望をよく聞いたうえで、兄弟姉妹による扶養や支援についても話し合うことも必要でしょう。
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